私にはふとした時に何度も読み返す本があります。
それはこちらのエッセイ集です。
もう表紙にはコーヒーを溢した痕跡や背表紙はすり減りページもゴワゴワしているさながら受験生の単語帳みたいになっています。
なんでこんなにも中島らもさんのエッセイを何回も読み返すのだろう
中島らもさんの最初の出会いはアマニタ・パンセリナという作品でした。
この中でらもさんは様々なドラッグ体験を語っている本作は強烈な印象を私に焼き付けました。
そして彼が関西人で阪神地域出身というところにシンパシーを感じて、彼の著作を色々と読むことしました。
そして手に取ったのはバンド・オブ・ザ・ナイトでした。
本作にはとてつもなく長い羅列が描かれている。
これが本当に長く多分30ページくらいあった。
私はあまりの迫力に圧巻されすっかり中島らもさんの虜になった頃に手に取ったのがこのエッセイ集です。
なぜこのエッセイをこんなに読み返すかというと
何かに悩んだり人生で行き詰まったり笑いたかったりと様々なシチュエーションで読み返している。
きっと中島らもさんに憧れているからなのかもしれないし、なにか助言が欲しいのかもしれない。
居酒屋で相談しているような感覚で本書を手に取っている気がする
本作には中島らもさんの生き方についてほんの少しだけ学ぶことができます。
人生観であったり、仕事であったり、酒や煙草やドラッグであったり
ほんの少しというのは彼の魅力があまりにも大きいためなのです。
若いうちに偉大な師<グル>に出会ったほうがよいとはどこかで聞いた言葉で、誰が言ったかは知らないけど印象深い言葉です。
しかし悲しいかな。どうやら私は現実でこのような偉大な師に会える可能性はほとんどないと言っていいでしょう。
だからこの中島らもエッセイ集を読む。そしてらもさんに聞く。
もうほとんど聖書みたいなもんです。
もしご存命だったら絶対に会いたかったなあなんてことを思ってしまいます。
神戸と大阪の居酒屋を探しまくるか事務所に押しかけるか
あるいはトリス片手に笑殺軍団リリパットアーミーのオーディションを受けていたかもしれません。