マーク・カズンズ監督作の『ヒッチコックの映画術』を観ました。
ヒッチコック作品の演出の意図をヒッチコック監督のナレーションで解き明かしていくドキュメンタリーです。
本作は事前情報を見てはいけないドキュメンタリーであったようで、事前に今作について調べてしまった私は死ぬほど退屈な講義を受けているような気分でした。
なのでもう書くことがありません。
今作はヒッチコック監督の作品に興味がある人に向けられているというより、作品をある程度観ている人に向けられて製作されているようです。
ヒッチコック作品を「逃避」「欲望」「孤独」「時間」「充実」「高さ」の6項目から分析されています。
この6項目をヒッチコック監督のモノローグにより彼の膨大なフィルモグラフィーからワンショットやワンシーンを切り取り「君は映画に入ったのだよ。」や「諸君をからかっているのだ。」など語りかけます。
全編に渡ってナレーションはヒッチコック監督ただ一人なので眠気が増進されていきます。
そしてヒッチコック監督は語りに語るのでメモを用意していないと要点を掴むのは難しいとすら思ってしまいます。
これはドキュメンタリーではなくもう講義です。
なのでタイトルを『演出概論:アルフレッド・ヒッチコック 講師:マーク・カズンズ』としたほうが正しいと感じていました。
ただこれは事前に今作を調べてしまった私の意見なので、私が言えることは事前に今作について調べてはいけないしかありません。