ノーム・チョムスキーの『誰が世界を支配しているのか』を読みました。
というより読んでいます。
アメリカ合衆国の二大政党、経済政策、安全保障、外交政策そしてそれを支える知識人とメディアなどが俎上に乗せられ、チョムスキーの慧眼から現代の深刻な状況が浮き彫りになる著作です。
本書の第一章に述べられるのは知識人についてであり、チョムスキーは知識人を二つのグループに大別し政権を支持しスポークスマンの役割を果たす御用知識人と一方は価値観を重視し政権に疑問を投げかけ迫害される知識人が存在することを歴史的事例をあげ示します。
知の巨人であるチョムスキーがどちらの側に立って本書を綴ったかの意思表示としての一章であり、彼は共和党と民主党いずれかを擁護することはありません。
その姿勢は全編に渡り、最も多く言及・批判されている大統領は共和党のロナルド・レーガンの次に民主党のバラク・オバマです。
それではチョムスキーが本書を誰に向けて書いたか。
それは二大政党から見捨てられ民意が反映されない民主主義社会に生き人口の0・何%の超富裕層のために尊厳や希望を失いつつあるアメリカの労働者=庶民たちだと私は考えます。
超富裕層に比べたら圧倒的大多数の庶民に対し著されているためにタイトルが『誰が世界を支配しているのか』であるのだと思います。
また本書はチョムスキー自身の意見が透けて見えるような論考にはなっておらず多角的な視野によりアメリカ合衆国が浮かび上がるような構成になっているので、一人で読むよりは幾人かで一章ずつ輪読したほうがより理解が深まる一冊でもあるので読書会向けの一冊であるように思います。