この度、ハリウッド史上最低の映画と呼ばれる伝説の
プラン9・フロム・アウタースペース/ エド・ウッド監督作
を観たのでストーリーと感想書いていきたいと思います。
【ストーリー】
地球人と友好関係を結ぼうとはるばる宇宙から飛来したUFOはアメリカへ
しかし米軍のエドワード大佐の命令によりUFOは攻撃を受けます。
宇宙人たちは態度を一変し地球人たちを屈服させることにします。
そこで宇宙兵士・イロスは彼の上司である閣下にプラン9の発動を進言。
プラン9とは電子銃の光線を死体に浴びせ、遠隔操作し地球人を屈服させる死体ゾンビ化作戦だった!!
そしてハリウッド郊外の墓地にて実験を開始
まず女性の死体をゾンビ化(以下ミセス・ドラキュラと呼びます)、その次に彼女の夫がなぜか都合よく死んだのでゾンビ化(どうみてもドラキュラなのでドラキュラと呼びます)
そしてこのドラキュラ夫妻は墓地の管理人を襲い、次に調査に来た警察を襲います。
悲しいことに調査に訪れたクレイ警部はドラキュラ夫妻により殺され無事ゾンビ化
こうしてこの墓地には3体のゾンビが蠢くことに、そして墓地の近所に住むパイロットのジェフ・トレントは墓地を不審に思います。
というのも彼はフライト中に何度かUFOを目撃しており、UFOはアメリカ各地で確認されているのに政府はその存在を認めようとしないからです。
UFOが目撃されだしてから墓地の様子がおかしいと感じるようになっていったのです。
ある夜、ついに彼の妻は3体のゾンビに襲われることに、宇宙人が地球人となぜ友好関係を結ばないといけないのか・・・
【感想】
正直に白状すると上記は映画そのもののストーリーではありません。
実際のストーリーを順序そのままに説明すると
- 葬式(ミセス・ドラキュラ)
- UFO飛来(ジェフ・トレント登場)
- 葬式(都合よく死んだミセス・ドラキュラの夫)
- 墓地の管理人、死ぬ
- 管理人の死を調査にきたクレイ警部、死ぬ。冷静な取り巻きの警察たち
- 葬式(クレイ警部)
- UFO、アメリカ各地に飛来
- 米軍の総攻撃(明らかにモブっぽい感じで重要人物のエドワード大佐が登場)
- 宇宙兵士・イロスとタナ(美人)は彼らの上司である閣下にプラン9を進言
- ジェフがフライト中にUFOを目撃していることを妻に告白、地球各地でUFOが目撃されるも冷静な地球人たち
- 謎の老人、死ぬ
- トレントの妻、ドラキュラ夫妻とクレイ警部に襲われるも太ったカウボーイに助けてもらう
- イロスとタナ、墓場に基地を設置。タナ、ゾンビたちに襲われる。
とこんな感じでつらつら書いていたら結末まで書いてしまそうなので、止めます。
初見でストーリーを追うのはかなり大変。
ですのでメモ帳を片手に2回観ました。
多分2023年に入り私より真剣にエド・ウッド作品観た人間いないと思います。
そして、セリフの中で言ってることが変わるのも結構大変でした。
だけどエド・ウッドがカルト的支持を得ているのもなんとなく分かります。
チープな衣装や美術、支離滅裂なストーリー、同じシーンの使い回し
でも何かを感じる。これを上手く言葉で表現できないのですが、確かに作品は最低なんです。でも嫌悪するほど最低ではないのです。かといって名作ということも絶対ない。
センバツ高校野球でボコボコにやられる21世紀枠の高校を応援するような気分
負けるな一茶、ここにありというか。
とにかく一生懸命に制作されているのが伝わってくるのです。
エド・ウッドは最後まで映画を作ることを諦めなかったのです。たとえどれだけその先が見えなくとも、彼は諦めることはしなかった。
私なら、もう最初の葬式のシーン撮ってるときに逃げ出したくなると思います。
もう他の奴に任せたらいいだろうと絶対逃げます。だってもうクオリティが最低なのだからどう頑張っても配給できるもの作れないでしょう。
エド・ウッド作品にはそのような悲劇的な出来具合から逃げずに終始自分を貫くという作品観が滲み出てくる。例え最初に話していたことと最後に話していることが正反対のセリフを書こうと己のポリシーは曲げません。
「たとえ上手くいかなくても続けるのだ。そうしたらどんなに下手でもそれは君のスタイルになる。我が道を行け」という強いメッセージをエド・ウッドは伝えたかったのか?
でも私はそう感じました。
辛いことはたくさんあるけれど、自分を曲げずに頑張って続けることこそ人生ですよね
こんなことを思いながらプラン9・フロム・アウタースペースを観ても決して名作にはなりませんが