私は夏休みの宿題の中で一番好きだったのが絵日記です。
小学校高学年になると絵日記は姿を消し代わりに作文や人権ポスターが追加されたときは悲しい気持ちに打ちひしがれました。
童心に帰って絵日記っぽく観た映画を紹介してみようと思います。
しかしペイントソフトの仕様がいまいち分かってない中で描いてみたのでレイヤーを重ね忘れ下描きの上からそのまま描いてしまう失態をやらかしたけど作業を続行。
そして最後にめちゃくちゃ雑に色を塗っているときに「そういえばあの頃も色塗るのめんどくさかったな」と懐かしい気分になりました。
今回は大島渚監督の遺作を紹介したいと思います。
御法度 Gohatto
【概略】
大島渚監督の遺作になってしまった本作。
舞台は幕末の京都。治安維持のために結成された新選組に加納惣三郎という美少年が入隊してきます。
松田龍平さんが演じているのですがすごいセクシーで妖艶な美少年で見惚れてしまいました。
新選組の近藤勇を演じるのは崔洋一さんで土方歳三は北野武さんと両者の雰囲気は治安部隊の隊士のそれではなく広域指定暴力団・新選組の組長と幹部と言ったほうが適切です。
加納惣三郎が入隊してからの新選組内はその美しさに騒然としてしまいます。
強面の近藤局長も彼に一目置き浮かれる始末は職場に可愛い女の子が入ってきた時の男性陣のようでした。
このような浮かれ具合に一人懸念を抱いていたのは鬼の副長・土方歳三。
隊の規律を乱しかねない加納惣三郎を警戒するようになります。
【感想】
戦場のメリークリスマスのように閉鎖環境での同性愛をテーマにした作品だと思うのですが、そのテーマよりもどちらかと言えば加納惣三郎の狂気に焦点を当てた作品ではないかと思います。
あまり同性愛が云々と考えるよりも狂気の方に注目して観ればよかったかなと今更ながら思ってしまいます。
次に数々の素晴らしい殺陣シーンが散りばめられていて大変印象深い。
薩摩藩邸に夜討ちに行くシーンや神社の境内にて背後から忍び寄り斬り込む俯瞰ショットは思わず息を呑んでしまう緊張感とその構図や黒と藍色のみで構成された色彩に見入ってしまいました。
映像による緩急の付け方に大島監督の新境地を感じ次作が観たくなってしまいますが残念ながらもう観れません。
御法度の次回作はどんな作品になっていたのだろうと考えながら観てみるのもまた楽しいかもしれません。