期待理論と達成動機付け理論を最近知りました。
ざっくり言うと期待理論では仕事から成果そして報酬の一連の流れの中でその成果や報酬が大きいほど仕事へのモチベーションも高まるということらしい。
いっぱいお金が貰える仕事ほどやる気に満ち溢れるとかなり当たり前のことのように思いますが、この期待理論を考えたブルームは
お金が絡まなくても人はその仕事に満足感を得るだろう
と考え彼の教え子のデシが実験を行ってみると仕事をすること自体が報酬であった場合に金銭報酬を得るとそのインパクトが強すぎて仕事に対する満足感が薄れてしまうことを発見しました。
アスリートや芸術家や職人たちが「金のためにやっているんじゃない」と何時間も練習や制作に打ち込む姿は仕事それ自体が報酬になっている例だと思います。――稼ぐために割り切って打ち込んでいる人もいるでしょうが――
それがお金のために仕事をするようになるとその仕事への魅力は消えてモチベーションもどんどん下がってしまうということを見つけました。
これが達成動機付け理論のようです。合ってるかどうか分かりませんが大体こんな感じ
なんでこんな事を書くのかというと私は現在あらゆるモチベーションとやる気が地の底にまで落ちているからです。
その理由もこのブルームとデシの理論から垣間見えたのですが、私は何かやろうという時にお金がチラつく穢れた大人の一員になってしまったがゆえの現象だと断定しました。悲しい話です。
このような考えを一度取っ払って純粋に楽しいと思えることに注目しないといけないと思っている次第です。
子供だったとき、楽しいことがたくさん落ちていた
大人になったらどこにも落ちていない
と邦ロックの歌詞みたいなことを考えながら本棚を掃除していると以前一気買いした安部公房の文庫本たちを発見しました。
ずっと読もうと思って永らく放置してしまっていたのでこの機会に読むことにしました。
手に取ったのはデンドロカカリヤ/水中都市。こちらは短編集です
読んでみるとめちゃくちゃ面白い。まずは表題にもなっているデンドロカカリヤを紹介します。
・デンドロカカリヤ
少年・コモン君がある日突然植物になってしまうかなりショッキングなお話。
植物なってしまう症状が現れ始めてからコモン君は怪しい男に付け狙われてしまいます。
このような怪しさ満点の人物があちこちに出没する中でコモン君は自分が植物になるようになった理由を探すようになるのでした。
誘惑があちこちに出没しやる気が消え失せた理由を探していた自分にはコモン君の気持ちが少しばかり分かる気がします。
まさかたまたま手に取った作品でこんな今の心境に近いものに触れられるとは思いませんでした。
作中で自分が植物になる理由を知ったコモン君はある決心をするのですが、私は特にこれと言って決心することがありません。
コモン君に置いていかれた気分です。