以前に山陰本線に乗ってどんどんと北上する旅をした時に初めて一両の電車を見たときは感動しました。
電車じゃなくて気動車という区分らしい可愛い一両列車でぼーっと日本海を眺めるのはなんとも心地よかったです。
しかし、いまいち仕組みが分かってなかったせいかよく分からない無人駅で降りてしまい、山の中を散策すること約2時間という恐ろしい体験をしました。
そんな気動車に関する邦画を観ました。
・ かぞくいろ―RAILWAYS 家族の出発― 吉田康弘
ハートフルなヒューマンドラマかと思えばなんともいえない後味の悪さしか残らない謎の作品。
有村架純ちゃん演じる晶は、くも膜下出血で急逝してしまった夫・修平の故郷・鹿児島へ遺骨を持ち帰り、修平の父・節夫の元で鉄道好きな息子・駿也のために電車の運転士を目指します。
これだけだと「ええ話やないですか」となるのですが、そうはいかず激重な設定や過去が挿入されハートウォーミングな気持ちを瞬間冷凍されるのを繰り返します。
あと現実にいそうな嫌な奴もちょいちょい出てきて、また心は冷めます。
ちょっと見てて本当に辛いシーンが多く、しかもこれは電車の運転士業務と全く関係ないところで人の悪意に触れているので意図がよく分かりません。
私が鹿児島出身だったら多分途中で視聴するの止めていたと思います。
こういったいさかいがあるせいで有村架純ちゃんはあまり電車を運転しません。
これは私の考察ですが、おそらく電車の運転業務だけでは脚本がまとまらなかったために色々な要素を注ぎ足されていったせいだろうと思います。
この作品には観光食堂列車が出てくるので、修平をくも膜下出血で殺さずに鹿児島で運転士を晶は食堂観光車でシェフをやり険悪な父親と和解でもさせる無難な展開でよかったのではと私は思いました。
もしかしたら本来はこのようなストーリーであったのかもしれませんが、何かが起こってこうなってしまったのか。
しかし最後には色々とあって見習い運転士から正規の運転士になった有村架純ちゃんと未来への希望が伺わせる怒涛のラストだったので、それが唯一の救いですが全編こうであってほしかったあ・・・
ていうか見習いから一人前になるまでが観たかった〜