リュック・ベッソン監督の作品は『レオン』が一番有名で愛されている作品だと思うのですが、私はこちらのグラン・ブルーが一番好きで定期的に観ています。
どれくらい好きかというとebayで縦長のかっこいいグランブルーのポスター買って飾っているくらい好きです。
息を止めてどれだけ深く潜れるかを競うフリーダイビングの種目に挑むジャック・マイヨールとエンゾ・モリナーリの物語。
いずれもフリーダイビングの実名選手がモデルで、実際の2人はジャックの方がおしゃべりでエンゾの方が寡黙なようです。
ギリシャで共に育ったジャックとエンゾは二人共ダイバーになります。
シチリアで溺れてしまったダイバーを助け1万ドルを手にしたエンゾは、離れ離れになったジャックを探し出しフリーダイビングへ誘います。
私はこの冒頭のシチリアのシークエンスがこの作品で特にお気に入りです。
1万ドルを手にして弟のロベルトと笑いながら車検に絶対通らないであろうチンクエチェントを乗りまわし、地中海を一望しながら「フランス人を探すぞ」と宣言するエンゾのシーンはふとした時に思い出すくらい脳裏に焼き付いています。
フリーダイビング世界大会が開催されるタオルミナにはジャックとエンゾの他に以前にジャックに出会って一目惚れしたジョアンナもやってきます。
その後にジャックもジョアンナを愛しあうことになり、世界大会の舞台はギリシャへ移ります。
タオルミナ大会からギリシャ大会までの間の印象深いシーンはジャックとエンゾが深海探査艇に乗って同乗のベルギー人ダイバー・ノイロイターをからかってふざけあった後に海に出て一緒に踊るまでのシークエンスです。
そしてギリシャ大会ではジャックの記録に挑むエンゾが大深度まで潜り、浮上してくると既に危篤の状態に陥ってしまいます。
ジャックに抱えられながら毎回ここで字幕を観ることを忘れてしまうくらい見入ってしまい"push me back in the water.jacques.take me back down.please"とエンゾが呟くシーンで毎回泣いて毎回字幕を見れずにいます。
ジャックに連れられエンゾは海の底へ還っていくシーンはこの作品の中で最も美しいシーンです。
その後にジャックはエンゾを追うように真夜中にギリシャの海へ向かい潜降装置を握り、ジョアンナは必死に止め最後に妊娠していることを告げるのですがジャックの意思は固いようでジョアンナに潜降装置のレバーを渡します。
ここでも毎回泣いてジョアンナの"Go and see.my love"の字幕を見れたことがありません。
なぜこの映画で私がこんなに泣くのかはよく分かりません。