片腕をマシンガンに改造したアミが弟の無念を晴らすために忍者の末裔であるヤクザたちと格闘するスプラッター・バイオレンス・アクション作品です。
この作品はなんといっても江口寿史さんのポップなイラストが描かれているポスターと半券がすごくおしゃれで思わず買いたくなりました。
血が噴き出し腕や脚が吹っ飛んだり頭の皮膚と筋肉が削げ落ちたりとかなりスプラッターでバイオレンスなのですが、私は終始笑っていました。
なぜ笑っていたかというと、この作品は「そうはならんやろ」とツッコまずにはいられないシーンの連続とそれを許容するゆるい雰囲気に包まれているからです。
ポプテピピックとキル・ビルをまぜこぜにして何かの間違いで漫☆画太郎が調理したような作品です。
ギャグ漫画が大好きな私にとって今作はどんぴしゃでした。
しかし、不条理ギャグのような作風だからといってストーリーがめちゃくちゃであることはなく王道の復讐劇を踏襲したしっかりしたストーリーの上でめちゃくちゃな事をやっています。
こういう作品にありがちな脚本が破綻し、そこから苦笑いが生み出されるということはありません。
またこういうアホな作品には大概皆無な素晴らしいショットも散見されます。
特に覚えているのは血塗れのセーラー服姿のアミが左腕のマシンガンをこちらに向けるウエストショットはすごくかっこよかったです。
まず舞台となるのは年間犯罪件数が一桁であろうと思われるほどにのどかな地方都市。
そんな平和そうな街で人がズタズタに引き裂かれゴミ捨て場に死体が転がっているというギャップでまず笑ってしまいます。
それをさも当たり前のように受け入れる市民たちやベタな悪役キャラと化したヤクザたち、そしてアミの弟をいじめるヤクザの息子とその取り巻き。
邦画のいじめのシーンなどは「これ撮ったやつ加害者側だっただろ」と思ってしまうほど不快でリアルな描写をたまに観ますが、本作はしっかりと配慮がなされています。
「腕とか頭は斬り落とすけれど、そこはちゃんとしとんかい」とツッコまずにはいられませんでした。
ヤクザの息子が弟をいじめるシーンでは配慮がなされているので、そういうのが苦手な人でも安心して観れます。
そんな終始笑顔で観れる作品ですが、終盤の神社での決闘を行うシークエンスでは思わず手に汗握る展開となります。
弟の復讐のために立ち上がるアミと彼女を助け夫の復讐のために立ち上がったミキが共闘する展開は燃えます。
ちなみにミキは最終決戦にて片脚チェンソーガールとなり、そしてめちゃくちゃ強いです。
アミもその後にミキの意志を引き継ぐように片腕にチェンソーを装着しチェンソーガールへと変貌します。
「チェンソーマンやん」と笑いましたが、ここからの展開が怒涛すぎました。
最高の一作です。