1941年、大西洋上とジブラルタル海峡でイギリス海軍と対峙するドイツ海軍の潜水艦・Uボートを描いた戦争映画。
戦争映画で潜水艦が舞台の映画では邦画の『ローレライ』を以前に観て感想は、はっきりいって本当に酷い作品でした。
その体験から全く期待せずにこちらの『Uボート』を観たのですが、素晴らしい作品でした。
もしかしたら戦争映画で一番好きな作品になったかもしれません。
ドイツ海軍の報道班員・ヴェルナー少尉が潜水艦・U-96に乗艦し物語が始まりまり、そこからはひたすら潜水艦内の様子が続きます。
ちなみにヴェルナー少尉はちょっとエド・シーランに似ています。そして序盤にちょっとだけオットー・ゼンダーが出たりします。
潜水艦内の生活は「うわー・・・」と思うほどに劣悪で不衛生で私は耐えられる自信が全くありません。
ヴェルナー少尉も「悪臭で発狂寸前」とノートに綴るシーンが出てきますが画面越しに匂いが伝わってきそうな気分でした。
この作品には明確な主人公はおらず、Uボートの乗組員たちに焦点が当てられています。
そして皆ひげが伸びに伸びて後半の方では誰が誰か分からなくなり、ヴェルナー少尉はほぼエド・シーランに、他にもノーマン・リーダスや斎藤工のような人々が現れる始末です。
この作品の恐ろしいところは不定期にイギリス海軍の攻撃を受けるところで、これは観ている観客も予想ができず実際にUボート艦内にいるような気分でした。
暮らしている所がシームレスに戦場へ変わって爆雷が急所に当たればすぐさま海の底に沈むという極限状態に乗組員たちは戦々恐々になり、中にはパニック寸前になる者もいます。
しかし、このような中でも冷静沈着で思考を巡らせ指示を出す人物がいます。
それはU-96の艦長ことザ・キャプテンです。名前は明かされずただ作中ではキャプテンと呼ばれています。
このキャプテンが超超超超超かっこいい!!!!! 理想の上司すぎてやばい!!!!!というのが率直な感想です。
私もキャプテンのためなら海の藻屑になってもいいと思ってしまうほどの理想のリーダーです。
後半にイギリス海軍の艦船が停泊し哨戒機が飛び交う英領ジブラルタルを超えてイタリアに迎えという無茶苦茶な司令を受け、ジブラルタルへ向かったUボートは攻撃を受け海底280mに沈没してしまいます。
ここからのキャプテンの希望を捨てずに冷静に司令を出す姿とそれを信じ従う乗組員たちの姿は言葉で伝えるのは難しく、この作品を観る以外に方法はないと思うほどのかっこよさです。
やっぱり海の男はかっこいいです。かっこよすぎです。
最高の一作でしたが、ラストは本当に悲しいです。