アニメーション大国ランキングが仮にあるとすれば1位と2位はアメリカか日本かで個人の好みの差で順位が入れ替わるだけだろうと思うほどに不動の2カ国ですが、じゃあ3位は?と聞かれたら私はイギリスと答えます。
『パディントン』に『機関車トーマス』に『チキンラン』に『ウォレスとグルミット』とかなり強力なラインナップが並ぶ中で私が一番好きなのが『ひつじのショーン』です。
この間に『ひつじのショーン』がEテレで深夜に一挙放送されているのを観て以来ショーンに久しぶりにハマっています。
『ひつじのショーン』の魅力はやっぱり可愛いショーンたちと真面目だけどポンコツな牧羊犬・ビッツァーにあまりやる気がなくショーンたちにいつもいたずらをされる牧場主さんが織りなす牧歌的なコメディです。
これが本当に疲れているときに観ると癒やされます。
そんな私は2015年公開の『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』を観ました。
ショーンたちが刺激のない毎日に飽きて牧場主さんにイタズラをしかけたら、トラブルが重なりに重なり牧場から遠い大都会へ彼を送り込んでしまいショーンたちが助けに行くというストーリーです。
上映時間は1時間半とアニメ作品では標準的ですが全編ストップモーションで製作されていると思うと恐ろしい話です。
そしてこの作品はテンポの良さが素晴らしく放映されているショートアニメと遜色がありません。
またショートアニメ同様にセリフがない代わりに映像表現のみでストーリーテリングが行われていますが、これが全くストレスなくストーリーが頭に入ってきます。
子供たちに向けてアニメを製作しているプロフェッショナルは映像のみで語るサイレント映画期に活躍した先人たちの後継者だと思いました。
ストーリーに重心を置きすぎずにちゃんとギャグや往年の名作のパロディを入れて観客の親子たちを飽きさせない構成は後半から純粋に楽しむよりは感心しながら観ていました。
あと少し気になったのはショーンたちが人間に変装して高級レストランに行くシーンで、そのレストランの店名がル・シュ・ブリュレとフランス語であったことです。
ちなみにこの店名の意味は焦げキャベツです。
イギリスでもおしゃれな店は店名にフランス語つけがちなのかな?でもなんで焦げキャベツ?と頭をひねりましたが、もしかして意味も分かっていないのにフランス語を使う気取った店に対する皮肉なのかなと今は思っています。