大阪が舞台のデンマーク映画でダニエル・デンシック監督作の『ミス・オオサカ』を観ました。
大阪が主要な舞台ですが、新世界やなんばグランド花月などは一切出てきません。
たこ焼きやお好み焼きも出てきません。
あらすじはノルウェー人のイネスが大阪でホステスとして勤務し、ノルウェー旅行中に自殺した恋人でホステスのマリアに思いを馳せるというものです。
いかにもミニシアターで上映されていそうな作品で多くを語らない演出に言葉数の少ないダイアローグ、そして舞台となるノルウェーと大阪が美しく撮られています。
イネスはノルウェーにて将来の夢も希望も特に無く商社に勤めているであろう彼氏と同棲している現実を受け入れつつも何かが欠けているという感情は払拭できないでいます。
イネスが求めていたものは将来の展望というよりは刺激と自由だったのでしょう。
だから自分が持っていないものを持っているマリアに惹かれていったのも分かります。
しかし、マリアは入水自殺をしてしまいイネスが気づいたときには既に手遅れでした。
そしてイネスはマリアと着ているローブを交換しパスポートや財布その他諸々を拝借し、イネスはマリアとしてノルウェーから大阪へ旅立ちます。
このイネスの行為を指摘するのは無粋でありまた不法入国がテーマではないのであまり気にせず観ようと努めましたが、イネスはちゃんと自分のパスポートも持ってるのだろうか?と余計なことを考えていました。
そんな彼女が大阪でマリアになれるのかどうか?
印象的だったのは、イネスがマリアのアパートで帯封がついた札束を見つけてからの行動です。
いざという時の逃亡資金をたまたま得たことで心に余裕が生まれてから見知らぬ異国でマリアが勤めていたミス・オオサカにて、高度な接客業のホステスをやろうと思えるようになったのかなと思いました。
いざとなったらいつでも逃げられるという心の余裕の有無は本当に大事だと思います。
この作品を観て一番感じたことはそれでした。
私も暗号資産の取引に使っていたほぼ休眠口座化しているネットバンクを心の余裕のために活用しようと強く思いました。
あとはその辺に落ちている札束を見つけるだけなのですが・・・。
これは冗談として口座の活用法を教わった作品でした。