荒木先生原作の実写映画『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』を観ました。
若き日にある女性から聞いたこの世で最も黒い絵のことを思い出し調査する露伴先生は、その絵が250年前の絵師・山村仁左衛門の作で現在はルーヴル美術館へ収蔵されていることを知りパリへ赴くというストーリーです。
この作品のタイトルにルーヴルとあるので私はてっきりパリ観光の最後にルーヴルに立ち寄ってくれるものだと思っていました。
今作は黒い絵の調査を行い、その後に露伴先生の回想が挿入されるので「全然パリに行かないじゃあないか」と思いながら最初の1時間ほどを観ていました。
そして露伴先生の回想では黒い絵の存在を教える奈々瀬という女性に会って知らぬ間にどこかへ行ってしまったというだけのエピソードでした。
漫画で読んだら印象も違うのでしょうが、正直アート・フィルムみたいなかったるい演出がテンポを悪くしている気がしてなりません。
なんでも高尚志向のNHKの悪いところを垣間見した気分です。
いざパリへ行ったら露伴先生たちはすぐさまルーヴルへ行きます。
レピュブリック広場でリサ・リサに会ったりサクレ・クール寺院でポルナレフに会ったりとかはありませんでした。
あとミロのヴィーナスも出てきません。
しかし、ここからがこの作品の面白いところでルーヴルの収蔵庫で山村仁左衛門の絵と対峙したときにスタンドみたいな超常現象に見舞われる一連のシーンではジョジョのようにスタンドが見えたりしないので何に襲われているか分からないホラー演出は荒木先生の短編シリーズへの原作遵守で素晴らしかったです。
興味もない漫画の実写化する奴にはないリスペクトの精神を感じました。
そして謎の攻撃を受けて両腕が真っ黒に染まる中、自分にヘブンズドアーを決める露伴先生もすごいかっこよかったです。
ここからは露伴先生一行は危機を乗り越え、山村仁左衛門にストーリーの焦点が移り、舞台は250年前に移ります。
露伴先生と山村仁左衛門にどういう関係があるのかが語られていくのですが、その中で若き日に出会った奈々瀬についても言及されていきます。
観終わってから原作も読みたくなるような作品でした。