ののの・ド・メモワール

その日観た映画や本や音楽の感想を綴ったりしています

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日記のように色々なこと(主に読書、映画、音楽)のアウトプットをしていきたいと思います。まれに雑記も書きます。
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ナチスが月から攻めてくる作品『アイアン・スカイ』

アイアン・スカイ

 『アイアン・スカイ』を観ました。

アメリカ大統領選を控える現職大統領の黒人を宇宙に送ろうキャンペーンに参加している黒人モデルのジェームズ・ワシントンが月面で何者かに襲われます。

彼を襲ったのは1945年に密かに月の裏側に基地を設置したナチ党率いる第四帝国の軍人で、彼らが地球征服計画を企み近々実行に移そうとしているというストーリーです。

プロットはアメリカのB級映画感満載ですが実は今作はドイツ=フィンランド=オーストラリア合作のヨーロッパ映画です。

そして最も製作費がかかったフィンランド映画の内の一つらしい。

 もっとしょぼい作品だと思っていたら、かなりVFXに力が入っていてびっくりしました。

特に地球連合軍とナチス第四帝国の宇宙戦争は見応えがあって私はこんなしっかりと作られていることに困惑しました。

SS部隊の制服もコスプレのようではなくしっかりとした衣装でガスマスクを被ったモブ兵士も格好いいので無茶苦茶な設定の映画を観ていることを忘れそうになりました。

 そして今作はナチスが宇宙から攻めてくるというワンアイデアで最後まで突き抜けています。

そもそも1945年に月面基地をどうやって作ったのか?

これはシュトロハイムやクロエネンがいるので説明がつきます。

ナチスの科学技術は世界一ィィィィィィ!!!!!なので月面に基地作るくらい余裕です。(月面基地作る余裕があるなら第二次世界大戦で米英ソに勝てたんじゃ・・・)

 またテンポもよくユーモアがある小ネタも多く飽きずに最後まで観れる作品です。

月面帝国の地球講座で地球には資本家どもの国・アメリカとボリシェヴィキが牛耳るロシア、あとは劣等人種がいるだけという偏見に塗れすぎな授業内容を教えるレナーテ・リヒター党員。

そんな彼女が実は性格が良いというギャップでまず笑うと同時に、こういう性格の良い人ほどこのような偏見を受け入れてしまう危うさも感じました。

ナチスのUFOがニューヨークを爆撃した報せを受け取った国連安保理北朝鮮が「あのUFOは我が国のものだ」と主張した際に理事国一同に笑われるシーン。

これは現在笑えない。

 今作にはブルーノ・ガンツヒトラーを演じた『ヒトラー 最後の12日間』にある地下司令室でヒトラーが「畜生めー!」や「大嫌いだバーカ」や「あんぽんたん」と怒鳴り散らす有名なシーンのパロディが出てきます。

帰ってきたヒトラー』にもこちらのシーンのパロディがあったことを思い出し、ブルーノ・ガンツの演技の影響力を感じました。

ただ私はもっと月面ナチスの人々が地球の状況を探索して地球を体験するシーンがもっと多かったらかなり好みの作品でした。

それだと『帰ってきたヒトラー』を観ればいいといわれたら、その通りですが。