2007年のビョーク作『ヴォルタ』にはエレクトロニカと世界中の様々な民族音楽の要素が織り込まれた不思議な作品です。
そして私はこのアルバムの全曲好きです。とばしていい曲が一つもありません。
まず「アース・イントゥルーダーズ」と「ワンダーラスト」のようなアップビートでかっこいい曲が1曲め、2曲めを飾ります。
そうして3曲目では一転して荘厳で神秘的な7分近くの大作「ザ・ダル・フレーム・オブ・デザイア」
4曲目にはアップビートな「イノセンス」とテンションの入れ替えが激しいですが、5曲目の「アイ・シー・フー・ユー・アー」では中国の古琴と思われる弦楽器が使用されたチルアウトな一曲
「ヴァーテブラ・バイ・ヴァーテブラ」と「ニューモニア」とvertebrae〈脊椎〉pneumonia〈肺炎〉と体関連のタイトルで不思議な2曲が続きます。
次にくるのはリズムが気持ちがいい「ホープ」、多分これはインドの打楽器がリズムを刻んでいるように思いますが、でも多分タブラではない気がします。
「ディクレア・インディペンデンス」にはノイズミュージックのようなリズムパートに乗せてビョークが「奴らに屈するな」や「旗を掲げろ(高く高く)」や「クソ植民地主義者 見下してくるこいつらなんか無視しろ」などなどかなり攻撃的な歌詞を歌い、ほとんどヒップホップのような印象を受けます。
最後の1曲は「マイ・ジュヴナイル」はストリングスが美しい一曲で終わります。
ここまで聴いて分かることは、これは完璧な一作であるということです。
今作がビョークの最高傑作であると個人的に思っています。