今月はタラちゃんの作品を多く観ています。
記念すべきタラちゃん監督第一作のレザボア・ドッグスを観ました。
・レザボア・ドッグス クエンティン・タランティーノ
宝石店強盗のために集った6人とそのボスとその息子の物語で5人はそれぞれブルー、ブラウン、ブロンド、オレンジ、ピンク、ホワイトと色に因んだコードネームを与えられ本名でのやりとりをボスのジョーから禁止され、いざ宝石店を襲撃したらいきなり警察がかけつけ命からがら基地の倉庫へ戻ったピンクとホワイトと重傷で死にかけのオレンジ達はこんなに早く警察が来るのはおかしいから誰か裏切り者がいるはずだと裏切り者探しが始まり果たして誰が?という内容。
宝石店襲撃はおまけのような存在でこの作品の大半は無駄話が占めています。
冒頭のライク・ア・ヴァージンの解釈でこの6人がどういう人物たちであるのか読み取れタラちゃん演じるブラウンの唯一の見せ場でもある会話劇や薬物取引のジョークを必死に覚えて披露するシーンなど物語の本筋と全く関係ない部分が逆転した立場になっています。
そして強盗たちは何一つとして物事が計画通りに進まず最後は悲惨な結末が待っています。
お互いの素性や性格が一切分からずに結成されたチームに強権的で独裁者タイプのリーダーとその威光を借りて威張り散らす腰巾着、そして何か失敗が起こると他人に責任転嫁とまるで組織運営を皮肉ったような結末であるとも言えます。
責任感を持ち人の話を聞ける柔軟性があるリーダーに互いに信頼関係にあるチームメンバーそして冷静に物事を俯瞰できる中間管理職がいないと組織は上手く動かないと思うけれど、現実はそんなにやさしくない。
そんな完璧な組織はこの世に存在しないでしょう。
また計画は上手くいかないし人生の大半は無駄であるのが現実であると突きつけられているように思いました。
私も計画を立てるときに大概自分の能力を過大評価して無茶苦茶な計画を立て結局なにも出来ずじまいということが多々あるのでこの強盗たちを笑うことができない立場です。
しかし、この作品を観ているとそのような姿というのは傍目から見たら喜劇だけど当事者たちから見たら悲劇どころの騒ぎじゃない。
はたしてこの6人を笑えるほど自分は立派なのかと観終わったあとに思ってしまいました。