ののの・ド・メモワール

その日観た映画や本や音楽の感想を綴ったりしています

閲覧いただきありがとうございます。
日記のように色々なこと(主に読書、映画、音楽)のアウトプットをしていきたいと思います。まれに雑記も書きます。
実用的なことは書けませんがよろしくおねがいします

田舎に行って鹿に会う

 世間は年度末から新年度で忙しい中、私は心底疲れていたので1週間ほど移住した友達を頼って田舎で静養していました。

 以前から決まっていた静養なのに準備は当日の出発ギリギリの時間に衣服や読んでいない本やノーパソ等をぽいぽいとトランクに放り込み多少の宿泊料を持って車に飛び乗り約2時間のドライブの末、目的地へ到着。

そこからはひたすらチル・アウトの日々を送っていました。

 朝4時頃に起きパソコンの前で頭を抱え無駄に鉛筆をレポートパッドに走らせたりしながら午前10時まで一応仕事をした後は完全な自由を満喫していました。

 それでは私は何をしていたかというと昼から夕方までは寺院の掃除や散歩や釣りをしていました。

私の友達の知り合いがお寺の住職をしているので私はボランティア活動として草むしり等々を大自然の中で行っていました。

 この草むしりをしていたときに感じたことは森の静寂っぷりです。

本当に耳を澄まさないと何も聞こえず正直最初のうちは慣れませんでした。

よく考えたら普段の私は屋外に出たらほぼイヤホンを付けっぱなしで外で耳を澄ますという行為を一切していないことにも気づきました。

 都会には騒音しかありませんが、田舎には環境音しかありません。

耳を澄ませば小川が流れる音や風に揺れる木々の音そして鳥のさえずり。

基本的に聞こえるのはこの3種類の音のみで稀にゴトンゴトンと遥か遠くで走っているであろう列車の走行音が混ざります。

 そうして天然のアンビエント・ミュージックを聴きながら草むしりをしていると50メートルほど先に何かがいるのを見つけ、近寄ってみると鹿2頭が私を見ていてびっくりしました。

2頭の鹿の凝視は「なに見とんじゃわれえ」とメンチを切る威嚇ではなさそうなので、そのまま目線を逸らさず後ろ下がり私は逃げました。

宮島と奈良公園以外で鹿をあんなに間近で見たことがなかったので正直かなりビビりました。

そのことを住職に話すと鹿たちは夜中に田畑沿いにある道路に出てきてぼーっとしていると聞いてちょっと見たくなりました。

 そして境内周辺をある程度掃除をした後の夕方から夜はひたすら読書をしていました。

蓮實重彦さんの『監督・小津安二郎』と『ゴダール革命』を一気に通読しました。

『監督・小津安二郎』は先月に読むつもりでしたがすっかり忘れていたのでこの機会に読んでしまおうと思っていましたが『ゴダール革命』の方も読めるとはおもっていませんでした。

 そして1週間が経ち私は現在帰ってきてしまいました。

若干ホームシックです。田舎に帰りたいです。

バードマン・オブ・アルカトラズ『終身犯』

終身犯

   終身刑の罪で刑務所に収容されながら鳥類学の権威的存在になったロバート・ストラウドの伝記的な作品です。

タイトルにはアルカトラズとありますが鳥類学を研究していたのはレブンワース連邦刑務所でのことです。

 ロバートは高い知能に旺盛な知的好奇心を持ち合わせ研究に情熱を傾ける学者肌な性格で殺人を起こさなければどこかの大学で名誉教授になっていたような人物です。

そしてこれほどの人物ながら仮釈放されないのはなぜだろうと御本人のウィキを読むとなかなか辛いものでした。

 全体的になんとも言えない気持ちになる作品でした。

ロバートは人生の早い時期に過ちさえ侵さなければ並外れた才覚を遺憾なく発揮していたのか?

これは環境次第といえると思いますが、そういう意味でいうと刑務所の看守や所長それに囚人たちは彼のよき理解者でした。

 どれだけ傑出な才能を持った人物であろうと周りに良き理解者または観察者に出会わないすれば自分の関心や能力に気づかず一生を終えてしまうのだろうと思います。

最近YouTubeでニュースを観ていたら関連動画のキャッチのテロップに「天才の対談!」「日本が世界に誇る天才!」といった文言が散見されるようになりました。

 少し前(かなり前?)にはSNSバズワードにギフテッドが挙げられたりと何か特殊な能力を持っていることを顕示することや自称他称問わずその能力を持っている人々の御神託がネットの世界には溢れています。

 がしかし、悲しいかな。世の中の人々を天才か凡人かで分けると99.999%は凡人のカテゴリーに入ることになります。

自分に何か特殊な能力が秘められている幻想に浸り己を肥大化させている人間は十中八九凡人でしょう。

 凡人の私達に必要なのはもし天才に出会ってしまったらどうやって接したらいいのかという知恵や知識ではないでしょうか?

みんながみんなサリヴァン先生になる必要があるとは思わないけれど、万が一のために頭の片隅には入れておいた方がいいのに、仮にも現代の情報収集源であるインターネットがこんな仕様ではと思ってしまいます。

 そのような思いに少しだけ答えてくれたのがこの作品でした。

私はこの作品でロバートよりも周りの人々をずっと観ていました。

ロバートが最ものびのびと研究に打ち込めたレブンワース刑務所では看守は鳥の飼育に打ち込む彼を見守り、彼の隣の独房に入れられた囚人・フィトは彼を励ましたり褒めたりします。

 天才に万が一会ってしまったら私も彼らの真似をしようと思えた作品でした。

しかしフィトの役回りは遠慮します

 

ノルウェーと大阪が舞台のミニシアター系映画『ミス・オオサカ』

ミス・オオサカ

 大阪が舞台のデンマーク映画でダニエル・デンシック監督作の『ミス・オオサカ』を観ました。

大阪が主要な舞台ですが、新世界やなんばグランド花月などは一切出てきません。

たこ焼きやお好み焼きも出てきません。

 あらすじはノルウェー人のイネスが大阪でホステスとして勤務し、ノルウェー旅行中に自殺した恋人でホステスのマリアに思いを馳せるというものです。

 いかにもミニシアターで上映されていそうな作品で多くを語らない演出に言葉数の少ないダイアローグ、そして舞台となるノルウェーと大阪が美しく撮られています。

 イネスはノルウェーにて将来の夢も希望も特に無く商社に勤めているであろう彼氏と同棲している現実を受け入れつつも何かが欠けているという感情は払拭できないでいます。

イネスが求めていたものは将来の展望というよりは刺激と自由だったのでしょう。

だから自分が持っていないものを持っているマリアに惹かれていったのも分かります。

 しかし、マリアは入水自殺をしてしまいイネスが気づいたときには既に手遅れでした。

そしてイネスはマリアと着ているローブを交換しパスポートや財布その他諸々を拝借し、イネスはマリアとしてノルウェーから大阪へ旅立ちます。

このイネスの行為を指摘するのは無粋でありまた不法入国がテーマではないのであまり気にせず観ようと努めましたが、イネスはちゃんと自分のパスポートも持ってるのだろうか?と余計なことを考えていました。

そんな彼女が大阪でマリアになれるのかどうか?

印象的だったのは、イネスがマリアのアパートで帯封がついた札束を見つけてからの行動です。

いざという時の逃亡資金をたまたま得たことで心に余裕が生まれてから見知らぬ異国でマリアが勤めていたミス・オオサカにて、高度な接客業のホステスをやろうと思えるようになったのかなと思いました。

 いざとなったらいつでも逃げられるという心の余裕の有無は本当に大事だと思います。

この作品を観て一番感じたことはそれでした。

私も暗号資産の取引に使っていたほぼ休眠口座化しているネットバンクを心の余裕のために活用しようと強く思いました。

あとはその辺に落ちている札束を見つけるだけなのですが・・・。

これは冗談として口座の活用法を教わった作品でした。

モノリスは何なのか???『2001年:宇宙の旅』

 

2001年:宇宙の旅

 スタンリー・キューブリック監督の『2001年:宇宙の旅』を観ました。

 まだアポロ11号が月面に着陸する以前に公開されたSF映画の金字塔的作品で大体オールタイムベストの上位に位置している超有名な作品です。

 この作品は黒い消しゴムのような物体・モノリスに導かれた人類の行く末を描いています。

 400万年前の地球で暮らす類人猿の前にモノリスが現れます。

類人猿たちも最初は戸惑っていたものの次第にその物体に皆が触れるようになります。

そうすると類人猿の中に道具を発見し使い方を覚えるグループが発生し以前までは他の類人猿と共生していたのに、道具を使える優越感からか他の道具が使えない類人猿を排斥し撲殺してしまうほど凶暴になります。

 モノリスのおかげで類人猿たちは人類に進化し文明を築き、そして400万年の時が経ちます。

今度は月面にてモノリスを発見し、それは400万年前に設置されたものであることが発覚し「地球外知的生命体がいるぞ!」と宇宙評議会は色めき立ち月面のモノリス木星に向けて電波を発信していることがわかります。

 モノリスを置いた地球外知的生命体に導かれるように人類は地球から月へ、そして木星まで向かいます。

ただ木星探査機の高度な人工知能を備える制御コンピュータ・HAL9000(通称:ハル)が制御不能のトラブルを起こし、デイヴィッド・ボーマン船長以外の船員を殺してしまう反旗を翻します。

 これは月面のモノリスの影響なのかなと思いました。

地球外知的生命体たちは別にコンピュータでも人間でも木星に辿り着けばいいと思っていたのでしょう。

 ボーマン船長はハルの論理思考回路を切断することでハルをシャットダウンしてしまいます。

ここでハルが歌う「デイジー・・・デイジー・・・」は聞いていて辛くなります。

以後パソコンをシャットダウンする時に躊躇しそうになります。

 ボーマン船長だけが木星モノリスへ到達すると、それはどこかへ誘う扉であったようです。

ここから長い長い旅が始まるのですが、おそらく恒星間どころじゃなく銀河系間をずーっとボーマン船長は移動しているようです。

 地球時間ではもしかしたら400万年前くらい経っているのでしょうか

そうなると人類はもう絶滅しているでしょうから、地球外知的生命体が必要だったのはボーマン船長ただ一人なのでしょう。

その他の人類は彼のおまけのような存在で400万年間も進歩させられていたと思うとなんとも言えません。

 こうしてボーマン船長は長い旅を終え謎の部屋へ。

そしておそらく最後のモノリスに対峙することになります。

ボーマン船長はおそらく強制的に歳を取らされ肉体から精神を分離させられ人類より高次な生命体に進化させられたのだろうと思います。

そうなるとラストの謎の部屋は走馬灯か何かなのでしょうか。

モノリスを使って人類を試した地球外知的生命体のエゴっぷりにびっくりします。

 作中で地味に1千万年くらい時間が経過しているのではないかと思う壮大な叙事詩的SF作品です。

 そして作品全体がものすごくスタイリッシュでめちゃくちゃかっこいいです。

内容は後半からかなり難解でとっつきにくいですが画面全体に映る美術やデザインを堪能するだけでも十分楽しめます。

黒い砥石のようなモノリスに宇宙船内の白を基調としたデザインに宇宙服の派手なカラーリングなどなどありますが私が一番かっこいいと思うのはHAL9000のデザインです。

 ぱっと見た感じではおしゃれなインターフォンですが、この無機質さ具合が作品の中ですごく映えています。

その他にも圧倒される映像の連続で素晴らしかったです。

 

私のミスで30日にこちらの記事を上げていました。

スターを頂いた方すみません。

🐑🐑🐑🐑🐑『ひつじのショーン・ザ・ムービー  バック・トゥ・ザ・ホーム』

ひつじのショーン

 アニメーション大国ランキングが仮にあるとすれば1位と2位はアメリカか日本かで個人の好みの差で順位が入れ替わるだけだろうと思うほどに不動の2カ国ですが、じゃあ3位は?と聞かれたら私はイギリスと答えます。

パディントン』に『機関車トーマス』に『チキンラン』に『ウォレスとグルミット』とかなり強力なラインナップが並ぶ中で私が一番好きなのが『ひつじのショーン』です。

この間に『ひつじのショーン』がEテレで深夜に一挙放送されているのを観て以来ショーンに久しぶりにハマっています。

 『ひつじのショーン』の魅力はやっぱり可愛いショーンたちと真面目だけどポンコツな牧羊犬・ビッツァーにあまりやる気がなくショーンたちにいつもいたずらをされる牧場主さんが織りなす牧歌的なコメディです。

これが本当に疲れているときに観ると癒やされます。

 そんな私は2015年公開の『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』を観ました。

ショーンたちが刺激のない毎日に飽きて牧場主さんにイタズラをしかけたら、トラブルが重なりに重なり牧場から遠い大都会へ彼を送り込んでしまいショーンたちが助けに行くというストーリーです。

上映時間は1時間半とアニメ作品では標準的ですが全編ストップモーションで製作されていると思うと恐ろしい話です。

 そしてこの作品はテンポの良さが素晴らしく放映されているショートアニメと遜色がありません。

またショートアニメ同様にセリフがない代わりに映像表現のみでストーリーテリングが行われていますが、これが全くストレスなくストーリーが頭に入ってきます。

 子供たちに向けてアニメを製作しているプロフェッショナルは映像のみで語るサイレント映画期に活躍した先人たちの後継者だと思いました。

ストーリーに重心を置きすぎずにちゃんとギャグや往年の名作のパロディを入れて観客の親子たちを飽きさせない構成は後半から純粋に楽しむよりは感心しながら観ていました。

 あと少し気になったのはショーンたちが人間に変装して高級レストランに行くシーンで、そのレストランの店名がル・シュ・ブリュレとフランス語であったことです。

ちなみにこの店名の意味は焦げキャベツです。

イギリスでもおしゃれな店は店名にフランス語つけがちなのかな?でもなんで焦げキャベツ?と頭をひねりましたが、もしかして意味も分かっていないのにフランス語を使う気取った店に対する皮肉なのかなと今は思っています。

 

 

 

イエロー・マジック・オーケストラで一番好きなアルバム?

おニューどすえ

 YMOで一番好きなアルバムは?と聞かれたら悩みに悩み、やっぱり『テクノデリック』と無難に答えます。

このアルバムの一番好きなところはすごく暗いところです。

レディオヘッドの『アムニージアック』くらい暗い!そこがいい!

以前まで手掛けていた人間味溢れるテクノポップからは程遠い無機質さと陰鬱さと人気ポップトリオの作品とは思えません。

当時酷評されたのもわかります。

 そして全編にわたり現代音楽にグルーヴィーなリズムを載せた前衛的な楽曲の数々はポップスからも遥かに遠ざかったもので、これがめちゃかっこいい。

 80年代の邦楽ヒットチャートとは対極に位置するような『テクノデリック』はクールさに満ち溢れていて個人的にはオーパーツのような作品です。

初めて『テクノデリック』を聴いた時は「こんなかっこいいアルバムが邦楽にもあったのか」と感慨に浸りました。

 ピアノ、ベース、ドラムと基本的な編成にサンプリングと以前までのイエロー・マジック・オーケストラからは考えられないシンプルな構成でジャンルレスな楽曲に仕上がっているのもまた驚きます。

ジャズでもフージョンでもファンクでもないどう形容したらいいのか分からない楽曲。

いつ聴いてもこのアルバムだけは格が違うように思います。

この映画はなんでしょう?クイズ・全4問

 正直にいうと今月の私はほとんど記事を書いていません。 

先月末にすごい勢いで映画を観て、その際に書いた記事が続々と投下されているのが現状です。

 そして推敲しているはずなので、誤字脱字や意味不明な文章がかなり減っていると思います。というよりそう思いたいです。

 今月の土日は雨の日が多く暇で悶々とした気分で過ごしていたので、私は見づらいキャッチをリノベーションしていました。

ということで雑記で書くことがないので、今月加入した新しいキャッチで映画クイズを催します。

お暇な方はどうぞチャレンジしてください。

Q.1

この作品はなんでしょう?*1

 

Q.2 

この作品はなんでしょう?*2

 

Q.3

この作品はなんでしょう?*3

 

 

Q.4

この作品はなんでしょう?*4

 

おわり。


 




 

*1:パルプ・フィクションでした

*2:シェルタリング・スカイでした

*3:秋日和でした

*4:監禁惑星・アメーバでした