私には村上春樹にハマる周期のようなものが存在します。
普段から村上作品の長編小説以外はよく読むのですが、稀に長編を読みたくなるときがきます。
エッセイは本当に大好きで村上ラヂオや雑文集はよく手にとって読みます。
短編も特に初期の作品が好きです。これらは日常的に手に触れるのですが問題は長編小説。
彼の長編小説にはかなり苦手意識があります。
というのもこれは出会い方に問題があったのだと思っています。
あれは高校一年生の冬、私はノルウェイの森を読むことを決めました。
理由はあまりよく思い出せないのですが多分装丁がかっこいいからとかもうそろそろ村上春樹くらい手を出す年頃だなと思ったとかそんな理由です。
図書カードを使い紀伊国屋で2冊買ってサンマルクカフェで読み始めたことは覚えています。きっとドヤ顔をしながらノルウェイの森を広げていたことでしょう。
上巻の半分辺りまでは順調に読み進められたのですが、なんというかいまいち面白くないしそれに暗いというのが印象に残っています。
大ベストセラーのくせにこんなに暗いのおかしいんじゃないのかともやもやした気分とさすがにセックスしすぎではという新たなる疑問が生まれてきました。
主人公のワタナベくんは事あるごとにセックスする度に私は「やれやれ。またかよ」と思ってしまいました。
続いて直子が療養所に行く辺りから段々と行動の意図が掴めずそれを受け入れるワタナベくんにも理解できず完全に小説から拒絶されたような気分でした。
という感じで上巻を読み終わり下巻へ
緑ちゃんが結構かわいいとか思いながら読んでいると直子が自殺してしまいかなり衝撃を受けたのですが、その後の展開の方が衝撃でした。
というのもレイコという直子が入院している療養所の30代後半か40代の女性とワタナベくんが直子を弔うためにセックスするのは本当にビビりました。
ワタナベくんが何考えてるのか分からないという恐怖とレイコは完全に性の対象外であると思っていた私にとってはそれはもう驚きました。
しかもこれが直子の記憶をお互いが紡ぐ最後の儀式としてセックスをしているように書かれていますが、高校生の私にはその訳の分からない情景がありありと浮かんでしまいました。
ノルウェイの森の映画も観たのですが正直感想はかなり微妙だった。
直子はもっと線が細いイメージだったので違和感がすごかったです。
ちなみに映画版ではレイコを霧島れいかさんが演じられていて、その時初めて「ああ レイコって美人だったのか」と謎の納得をし、基本的に村上作品に出てくる女性は美人だと思うことを誓ったのでした。
このような感じで私と村上春樹のファーストコンタクトはあまりよろしくなかったのですが、それでも彼の作品はちょくちょく手に取ったりするようになりました。
村上作品へのアレルギーを緩和してくれた作品はスプートニクの恋人でした。また読み返したい。
そして英語版のアフターダークを読んでいきたいと思います。