今週のお題「急に寒いやん」
ちょっと前まで暑かったくせに急に寒くなって驚いてしまいます。
私は寒いのが本当に洒落にならないくらい苦手(得意な人はいるのだろうか)なので、もう憂鬱な気分になってしまいます。
ただ虫が出ずにカビも繁殖しないという恩恵だけはありがたいです。
あと鍋とみかんを美味しく頂けるくらいしか楽しいことがありません。
身近で雪景色が見られたら冬に対するネガティブな意見も多少変わるのかもしれないと考えてしまいます。
ほんのちょっと雪が覆いかぶさるか10cmくらい毎年積もれば結構楽しいのでしょうか?
私はホワイト・アウトやブリザードなどちょっとだけ憧れています。
どんな感覚なのか全く想像できません。
実際に雪国に行って体験するのは恐ろしいので無理なのですがレジャー感覚で楽しめるブリザードがあれば体験したいです。
こんなしょうもないことを考えながら、スポーツの日なのに寒いので家に籠もり映画を観ていました。
・ファラウェイ・ソー・クロース ヴィム・ヴェンダース
ベルリン・天使の詩からブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブまでの約10年はヴィム・ヴェンダース暗黒時代というかスランプ時期というか
はっきりいってしまうとぱっとしない時期です。
その渦中に製作されたのが本作ファラウェイ・ソー・クロース
ベルリン・天使の詩の続編になります。
前作が構想14年上映時間5時間弱の大作『夢の涯てまでも』が大コケし心に傷を負っている中で製作されました。
天使・カシエルはベルリンの街中を歩き回り段々と自分も人間になり人々を救いたいと願うようになるという童話のような内容です
人間には見ることも感じることもできない天使が登場する際にはモノクロ、天使を感知できない人間だけが登場する際はカラーと演出が分けられていてここは非常に良いです。
天使にできることは人々の内なる声を聞いたり耳元で囁いたり死の瞬間に現れたりと限定されています。
この当時ドイツは再統一というビッグイベントがあり旧東ベルリン市民たちも画面の中に現れたり「統一の前が懐かしい」などの早すぎる意見も聞けます。
そうこうして人間の内なる声を聞き続けたカシエルは自分が人間になって彼らを救っていこうと決意し無事に人間になります。
しかし現実は甘くなく人間として生きることに苦悩したカシエルは酒浸りのホームレスになってしまいます。
ここまでの1時間はめちゃくちゃ素晴らしいです!
モノクロとカラーで描かれるベルリン、カシエルの理想と現実・・・
がしかし、残りの1時間半は安っぽいハリウッド映画のような展開になります。
多分最初の1時間でもう語ること尽きたとしか思えない内容でした。
記憶に残っているのは刑事コロンボのピーター・フォーク(元天使という設定で出演)がペーター・フォルケとドイツ人に呼ばれるシーン。
あとは「東ドイツ人は暴力とセックスしか興味ないクズども」というとんでもないディス発言が飛び出たくらいしか覚えていません。
などなど後半部はヴィムの心の折れっぷりが伝わってきます。
この作品は最初の1時間観たらそこで終えた方がいいと思ってしまう作品でした。