急に寒くなって心も冷え切りそうそうなので、温かい気持ちになる映画を早朝に観てました。
こちらの作品は何回も観ているので今回何回目になるのやら
荻上直子監督作は大好きでよく観ています。
その中でもこちらの『めがね』が一番好きです。
・めがね 荻上直子監督
カニを描いてしまったのですが多分伊勢海老だったかもしれません。
何回観てもいい作品です。
都市の喧騒に疲れたタエコが携帯が通じなさそうな島に行き様々な交流をするという内容。
何も事件が起きずゆったりとした映像がずっと続きます。
以前までこの作品はストーリーよりも映像を楽しむ作品だと思っていたのですが、私は違和感を感じることが視聴中に何度かありました。
ひとつあげるとタエコが島で出会った知らない人々同士で一緒にカニかエビを食べるシーンを観ている時に、ちょっと考えて「カニ食べるかな」と思いました。
シュールというか非現実というか
たとえばカニを食べるときってどうしても身を取り出すのに必死で誰も喋らなくなる。
あの沈黙は家族や友達などの身近な人達としか共有できなさそうな沈黙です。
ほぼ初対面や出会って数日の人々と一緒にカニを食べれるかといわれたら、結構厳しいような気がします。
知らない人同士で黙々とカニを食べられるそんな空間は現実にあるのでしょうか
あるかもしれないしないかもしれない。
これは現実に一番近い「あったらいいな」と思ってしまう優しいフィクションであると思います。
そのようなフィクションがこの作品の中には多くありますが、そのことは疑問にも思わずに映像に魅入ってしまいます。
現実の延長にあるフィクションというよりも現実の中にあるかもしれないフィクションをここまでさらっと自然に描く荻上監督のセンスに驚いてしまいます。