ショーペンハウアーの『幸福について』を読んでいます。
よっぽど不幸そうに見えたのか分かりませんが、知人から頂いた本です。
そしてそのまま本棚に放置していました。
ショーペンハウアーとか難しそうなので読む気すら起きず月日が流れてしまいました。
今月に入り寒さが厳しさを増し(記事を書く度毎度毎度寒いと愚痴をこぼしている)外に出られない悶々とした気分を払拭するために掃除をしていた際に、この本を見つけちょっとペラペラとページをめくってみると
「意外と読みやすい・・・!」
ということで本腰を入れ読み始めると予想に反して難解で説教臭くなく明快でユーモアに溢れる面白い本でした。
一般の読者に読んでもらいたいというショーペンハウアーの気持ちが伝わってきます。
その意図を汲み取った翻訳家の方の尽力もあり私でも読み進めることができました。
・幸福について ショーペンハウアー
アルトゥール・ショーペンハウアーは現在から約200年前のプロイセン=ドイツで活躍した哲学者です。
あとゲーテと友達だったりします。
そんな彼の晩年の大作『余録と補遺』から抜粋され書籍になったのが『幸福について』です。
全6章から構成され
・第1章〜第4章・幸福についてのショーペンハウアーの研究
・第5章・先人たちの幸福に対する研究を紹介する50話の説話集
・第6章・青少年の幸せを願った教育方針のすすめ
なので本書は実質1〜4章までの約200ページといっても過言じゃない気がしますが、6章もかなり面白いのでおすすめです。
また5章は一日一話ずつ読んでいった方がいいと思うくらい重厚な仕上がりで本書の中で一番ページ数も割かれています。
そして1章ではまず他者と自分を区別する三要素が述べられています。
・その人が何者なのか
・その人が何を持っているのか
・その人がどのようなイメージ・表象・印象を与えるか
それらがどのように幸福と結びつくのかが後に続く章で説明されているので、あとは対応する章を好きに読んだらいいだけです。
個人的には第4章の『その人がどのようなイメージ・表象・印象を与えるか』が一番好きです。
4章へのショーペンハウアーの熱量は凄まじくなんと100ページあります。
「他人からどう見られたいか?どうやったら尊敬されるか?」という願望から地位や名誉や名声を四六時中気にしている人々に対して辛辣でユーモアが溢れエネルギッシュに満ちた批判の数々は本当に面白いです。
私も人の目を結構気にしてしまうので100ページに渡り説教を受けているような者なのですが、そんな私でも思わず笑ってしまいます。
もしショーペンハウアーが現代によみがえってYouTubeチャンネルで人生相談やったらすごい人気出るだろうと思ってしまいました。
PS.
こちらの記事を日曜日の午前9時に予約投稿したと思っていたら誤って土曜日午前6時に投稿していました。
評価いただいた方々にお詫びします。