本当なら今日はヴィム・ヴェンダースかクエンティン・タランティーノの作品か中国の作家・莫言のことを書こうと思っていたのですが、今日は一日中チャットモンチーを聴きながら掃除をしていてブログのことを忘れていました。
そしてこの一週間でストック記事を一切書いていなかったのでかなり困っています。
もう私には書くことは何もないと途方に暮れている中でひらめきました。
「そうだ。前に観た映画かなんかについて書こう」
と思って感想ノートを引っ張り出し面白そうな作品を探しました。
その中で見つけたのが女王陛下の007です。
私にとって007は結構思い出深い作品なので選ばせてもらいました。
なんといっても私はあのニンテンドー64の名作ゲーム・ゴールデンアイを子供の頃にずっとプレイしていたからです。
ただこれは兄姉のお下がりの64でしか遊べなかったという悲しい思い出と共にあります。
最新のゲームハードは彼らが占有して遊ぶので当然私は触れず飽きられてテレビの隅の方で役目を終えていた64を引っ張り出すしかありませんでした。
私はプレステもPSPもDSも触らずに小学生時代を過ごすというかなりきつい体験をしました。
サッカークラブの友達とウイイレをしたときに私だけ全然操作できなくてドン引きされたり、ポケモンをやったことがないのでポケモンのこと全く分からなかったり。
こういうのって人格形成にどれくらい影響するのでしょうか
その辛さを紛らわすようにゴールデンアイをやっていた気がします。
それでは以下は感想ノートより抜粋
・女王陛下の007
(よくみたらmajestyのあとに's忘れてました)
こちらの作品はクリストファー・ノーランが一番好きなボンド作品のようです
そして主演はこの作品だけジェームズ・ボンドを演じたジョージ・レーゼンビーです。
ジェームズ・ボンドといえばショーン・コネリー、ダニエル・クレイグ、ピアース・ブロスナン、ロジャー・ムーアですが、その他もいるのです。
ジョージ・レーゼンビーはショーン・コネリーが「もう007やりたくない」とボンド役を降板して代わりに演じることになりました。
ただレーゼンビーは知名度も演技力も乏しい若手なのでショーン・コネリーの代役務められるのかプロデューサーは心配になり有名な女優のダイアナ・リグをボンドガール・トレイシー役に抜擢したり脚本家は以前の007よりもっと硬派なスパイ映画に路線を切り替えたりとかなり実験的なことを本作で導入しました。
ちなみに本作以降にショーン・コネリーは復帰するので異作ぶりはなおさら際立ちます。
そしてこのレーゼンビーが演じるジェームズ・ボンドはなんというか哀愁を感じさせる等身大の人間という雰囲気を感じます。
上記に挙げた四人のボンドは強くてイケメンで教養とユーモアがあり女性にモテモテという完璧な超人なのですがこのボンドは失礼ですが華がありません。
このボンドは多数の女性と遊ぶより一人の女性を愛し冗談もあまり言わずに勤務態度も良好実直でどこか自信がなさそうなMI-6に勤める真面目な公務員です。
でもそこがいいのです。
というのもボンドはトレイシーと結婚を考えるほど深く彼女を愛し引退も考えるほどでした。
これが自信たっぷりで冒険心に溢れるモテモテのジェームズ・ボンドだったら果たしてどうでしょうか
おそらく結婚なんか申し込みません。やっぱりぎこちないレーゼンビーこそふさわしいと思います。
この作品の素晴らしいのはアクションにも現れています。
特にラストのボブスレーでの逃走シーンなどは編集が細切れにされ緊張感を保ちつつ映像はダイナミックです。
またこんな自信がなさそうなボンドが陰謀に立ち向かう様子は「ボンド死んだりしないよな」とハラハラがずっとラストまで持続して画面に食い入ってしまいます。
世界的な陰謀に立ち向かう冴えないイギリスの一公務員の姿を私は新作の007で観てみたい気がしてしまいます。